庭のシモツケの花が咲き始めました。
ところで、漢字表記の
下野は下野の国(今の栃木県)で最初に見つかったからとも、下野の国原産のものに最初に名が付けられたからとも、ここ産のものが古くから庭木に使われたからとも諸説ありますが、「下野の国」に因んだことにかわりはありません。
問題なのは、俳句で専ら使われる
繍線菊なる漢字表記の方ですね。これが、中国・戦国時代の孝女、繍線の故事に因んだ漢名だと聞かされるかと思えば、植物学者から、この表記は間違いだから使わない方がいいとも言われていますし、・・・。
結局、繍線菊は同属だが別種のホザキシモツケを指す漢名が誤り伝わったもので、シモツケの本来の漢名は
粉花粛綫菊というのが真相。中国名を借用する際に得てして起こりがちな間違いの一つだったのですね。
しもつけの花びら綴ることばかり 後藤夜半
繍線菊の道とほどほし富士の前 角川源義
繍線菊や雲這ひ騰り暁の山 島田雅山