野生のサザンカは日本の特産種で、花弁が5個の白い花。
花弁は平に開き、多数の雄しべはツバキのように合着して筒状にはならずにバラバラ、散る時は花弁が、これもバラバラになって落ちるので、ツバキと区別がつきますね。でも、品種改良や交配が進んだ結果、この見分け方が困難になっているのが現状だそうですが、十月中に咲き出すのは、まず、サザンカと思って間違いはないそうです。
面白いのは、和名の山茶花。
中国で山茶花と書けば、これはツバキのことで、日本ではこの山茶花の順序が入れ替わって茶山花となってサザンカの名が生まれたのだそうですね。でも、現在の漢字表記は、元の山茶花のまま、とややこしい。因に、サザンカの中国名は茶梅。また、学名には Camellia sazanqua と、サザンカの音が見られる。
山茶花を旅人に見する伏見かな 西鶴
我病めり山茶花活けよ枕元 夏目漱石
山茶花の散るにまかせて晴れ渡り 永井龍男