先日、ご紹介した今年の「新旧暦対照表」によれば、今日、5月8日が旧暦の4月1日で、
夏の季節の到来というわけですね。旧暦の夏は4、5、6月ですから、今年に限っていえば、
新暦での5月8日から8月4日までということになります。
ところで、戦前派にとっては「小学唱歌」、現在では「叙情歌」として親しまれている
『夏は来ぬ』の歌詩をご存知ですか。
作詞 佐々木 信綱
作曲 小山 作之助
卯の花の匂う垣根に
時鳥(ほととぎす)はやも来鳴きて
忍び音もらす 夏は来ぬ
五月雨の注ぐ山田に
早乙女が裳裾(もすそ)ぬらして
玉苗植うる 夏は来ぬ
橘の薫る軒端の
窓近く蛍飛びかい
怠り諫むる 夏は来ぬ
棟(おおち)散る川辺の宿の
門遠く水鶏(くいな)声して
夕月涼しき 夏は来ぬ
五月やみ蛍飛びかい
水鶏なき 卯の花咲きて
早苗植えわたす 夏は来ぬ
万葉集の研究者にして、歌人 。『文化勲章』の第1回の受賞者の佐々木信綱が23歳のとき、
作曲者小山作之助に依頼されて既存の曲に 詩をつけたものだそうです。
初出は、明治29年(1985)の『新編教育唱歌集(五)』、ということは、すでに新暦の時代
ですが、内容から見て、旧暦の夏が連想されますねぇ。