この6月から、月に一回ずつ撮って来たオオチの実ですが、樹木の様子は、まだまだ、葉を茂らせていて、秋の気配を感じさせません。葉が落ちて疎らになり、熟した実が黄色みを帯びて、いわゆる『センダン坊主』の姿を呈するのは、まだ、先の話ですね。
ところで、この樹を詠んだ俳句にはオオチ(楝、樗)の他に、現在の呼び名の「センダン(栴檀)」も、たくさんあります。
栴檀の実ばかりになる寒さかな 正岡子規
海鳩の 群れて栴檀実の 生るころ 山口誓子
栴檀の 実に風聞くや 石だたみ 芥川龍之介
栴檀の実の鳴るロシア捕虜の墓 吉中愛子