三年ぶりに見つけたトベラの実です。
別名をトビラノキとも呼びますが、このトベラとは扉のことで、歴とした和名。独特の悪臭が疫鬼を追い払うというので、大晦日の夜に、枝葉を扉に挿しておくという習慣にもとづいたもので、学名も Pittosporum tobira 。海桐花は漢名ですね。
実は黄ばみを増して、やがて三つに裂け、いくつもの、赤く粘ついた種子が顔を出しますが、これが、小鳥たちの大の好物だとか。
汐騒の夜の更けて来しとべらの実 坊城としあつ
北限の島に朱しや海桐の実 谷口和子
混み合うて弾ける力海桐の実 湯川 雅
割れしより赤飛び出せる海桐の実 小川龍雄