アヤメ科クロッカス属のサフランです。園芸上は観賞用の春咲き種をクロッカス、秋咲き種で薬用や香料にするものをサフランと呼んでいるようですね。
地中海沿岸から小アジアにかけて80種が知られているとか。古くからヨ-ロッパ人に愛されてきた花で、神話や伝説に必ず登場しています。花の女神フロ-ラが可愛い子羊たちにプレゼントしたその年の最後の花が、このサフランだったそうで、野に咲く花の最後は今でもサフランとされているとか。鮮血赤色の雌しべの長い花柱の先が三つに裂けて垂れるのが印象的ですが、開花日に摘み取って乾燥させたのがサフランで、1g を得るのに150本以上の花が必要とされるらしいですね。
芝ひろく踵をかへすクロッカス 富安風生
クロッカス咲けり明日に突き抜けよ 松岡道夫