コスモスは原産地のメキシコから、1789年、スペインにもたらされたそうですが、秋の短いヨ-ロッパでは、人気がなかったらしい。
日本へは、明治12年(1879)に導入され、30年後の明治42年になって、文部省が「栽培法をつけて全国の小学校にコスモスの種子を配布」(湯浅浩史著『植物ごよみ』 朝日新聞社版 234頁)したりしたことなどもあって、一部の地域では、野生化するほどに増えたのだそうですよ。
その後、秋桜の呼び名で、すっかり、日本の秋に溶け込んだのですが、住宅事情の変遷などもあって、都市では見られなくなり、観光名所などで脚光を浴び、今日に至っているのですねぇ。
近隣では、『くりはま 花の国』の100万本のコスモスが有名ですが、今年は、関東地方を直撃した、例の9号台風によって、全株が倒れてしまったとか。ザンネンですね。(下3枚の写真は、開花期の長いキバナコスモス)
秋ざくら砂利敷かれたる家の前 瀧井孝作
コスモスくらし雲の中ゆく月の暈 杉田久女
水のごと心澄む日よ秋桜 原子順