ヒガンバナは植物学での名称ですが、マンジュシャゲ(サンスクリット語で「天井の花、赤い花」の意)の名も相応しいですね。
この花は野生せず、「人里植物」といわれる史前帰化植物で、中国と同じく、繊維の糊料に使用されたのではないかと推測されているようですね。また、毒性が強く、土葬の死体が荒らされないように、また、子供が被害を受けないように、子供が恐れる墓地に植えられたらしい。
丹念に水にさらせば、無毒になって、澱粉で団子を作って食した地方もあったとか。
それにしても、シニバナ、ジゴクバナ等々、900にものぼる呼び名があるというのも、驚き。(湯浅浩史著『植物ごよみ』朝日新聞社刊 参照)
燃えうつることなく燃ゆる彼岸花 桔梗きちかう
彼岸花光あかるき橋のうら 赤岡淑江